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東京都現代美術館リニューアル一発目『百年の編み手たち−流動する日本の近現代美術−』気になる内容や、かかる時間、おすすめ度は?

東京都現代美術館 tokyo art

 

東京都現代美術館が、

3年の休館を経て、3月29日にリニューアルオープン!

再開一発目の企画展は『百年の編み手たち-流動する日本の近現代美術-』。
タイトルだけでは、内容が分かりづらいですが、(^^;
足を運んできました!
(日曜美術館 アートシーンでも紹介)

  WEBサイトで、予 習 !
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まず開催概要の一文目を読んでみる。

「1910年代から現在までの百年にわたる日本の美術について、編集的な視点で新旧の表現を捉えて独自の創作を展開した編み手である作家たちの実践として当館のコレクションを核に再考するもの」
(公式WEBサイトより)

開催概要全体を読むと、つまり、
東京都現代美術館の収蔵作品(コレクション)を中心に、
ここ100年の日本美術で、その時々の日本美術の問題に向き合い、美術史上の新旧様々な要素を「編んで」制作を行ってきた作家の活動を、作品を通して概観する展示。
(?要約になってない)

具体的には、100名以上の美術史を彩ってきた作家たちの名前の記載が公式WEBサイトあります。
岡本太郎や岸田劉生、東郷青児、藤田嗣治など一般的に広く知られた著名作家から、
近年人気が再燃している具体美術協会の白髪一雄、田中敦子、元永定正……。
世界中で一定の評価を得ている現代アーティスト、会田誠、奈良美智、村上隆……。
他にも今美術界を席巻しているアーティスト達の名前がずらり!

なので、どの作家が好きで見にいくというより、美術館のテーマに興味を持って見にいくという感じかな?
それにしても、これらをどう一つの展示としてまとめるのか……!
これこそ美術館・学芸員の腕の見せ所ですね!

 

  行ってみた評価
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ざっと評価すると……

来 館 日:2019年4月27日(土)※連休初日

所 要 時 間:企画展 2時間(割とじっくり見た) 常設展 30分(ざっと流し見)

チケット代:一般1,300円(企画展も常設展も見れます)

混 み 具 合:ほどほど……(一つの部屋に3、4組程度)

マニアック度:★★★★☆ 4.0/5.0

おすすめ度:★★★★☆ 4.0/5.0 

清澄白河駅から徒歩約10分で、道もわかりやすい。
連休初日だったんですが、特定の有名な作家を押しているわけでないからか、
そこまでお客さんは多くありませんでした。
若いカップルから夫婦、海外の方など、年齢層は幅広いです。
私のように一人でゆっくり見てる人もいます。

1章〜14章まで、おおまかには時系列に順々に作品がテーマごとに章だてられています。
作品一覧表は無く、展示室の図面と、テーマごとの文章がまとめてある紙のみの配布です。
テーマごとにまとまりがあり、そういう点ではわかりやすいかも。
ジャンル割合は、実感として、絵画・平面が7割、立体2割、その他1割って感じでした。とにかく量が多いので、ある程度知っている作家・作品がないと、全部見るのは結構疲れそう(知ってたらそれはそれで豪華すぎて疲れるw)。

でも、さすがにその時代を代表するような作家たちのおもしろい作品が多いし、テーマ通り、100年の美術の流れを章ごとに概観できるという点で良い展覧会だなと思ったので、おすすめ度4でした。

 

  見た人むけ ネタバレ 章ごと感想
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東京都現代美術館
3階展示の様子

ここ100年の美術作品とのことで、
やはり大きな転機は、第一次世界大戦(1914〜1918)、関東大震災(1923)、第二次世界大戦(1939〜1945)。美術作品にもそれらの影響が垣間見えます。

1章、2章、3章あたり、第一次世界大戦後、震災の前後の作品は、
具象的な絵画や、版画が多い中、徐々に前衛的な要素が混ざっている時期(背景がキュビスムをとりいれてゆがんできたり)。

4章は、「戦中と戦後」なんですが、
なんかすごい作家が元気な感じがして、好きな章です!
浜田知明の《ぐにゃぐにゃとした太陽がのぼる》や、
桂ゆきの《作品》は、
なんかぱっと見キャッチーなんですけど、すごくコンセプトが凝っていて実は皮肉がこもっている。戦後の復興を意識してるけど、どこか不安が隠れているような感じなのでしょうか。また、幾何学模様が多様されたり、はっきりした色使いをするなど近未来的な感じもみてとれます。

5章「アンフォルメルな距離」は、海外の批評家の目が日本にも入ってきた時期の作品。
具体美術協会の作品がメインの展示です。
具体美術協会といえば、白髪一雄さんが天井からぶらさげたロープにつかまり、足で描いた絵画が有名です。成果物としての作品だけでなく、その制作の過程や意図せずにできた作品という所も、大きな注目ポイントです(ぱっと見だとわかりづらい(^^;)。

6章「光を捉える」は、急にこちらに作品が寄ってきた感覚!
多田美波さんの作品は、曲がった大きな鉄?が、大きく壁面に展示してあり、
見る人の姿が映り込み、人が動くたびに作品に映る景色が変わる。
様々な見方をこちらができるような作品なんです。

7章「イメージを編む」は、ウォーホルを始めとして、
ポスター・デザインの商業的なイメージから派生している横尾忠則の作品や、柏原えつとむの作品が壁一面に展示されています。

8章「言葉と物による再編」は、
作品にこめられたコンセプトが重視されている作品の展示です。

9章「地域資源の視覚化」
地域と関わり深い作品の展示。
1階の展示最後に、横尾忠則の《木花開邪媛の復活》という、富士山の絵に、偉人と神が大量にコラージュされて一つの画面に集まるというカオスな大作品が展示してあり、カオスすぎておもしろかったです。

ここでやっと地下2階!

10章〜14章は、いわゆる現代アート系の作品が。
展示の仕方自体が作品の一部という作品や、より現代の私たちの生活に近い、アニメや都市開発、といった点に着目した作品が数多く展示されています。

東京都現代美術館 百年の編手たち
B2F展示の様子

 

元気があれば! 常設展示も
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東京都現代美術館 アルナルド・ポモロード
常設展の入り口で圧倒的な存在感を放つアルナルド・ポモドーロ《太陽のジャイロスコープ》

今回の企画展が、収蔵作品を使ったものなので、常設展示(収蔵作品展)との区別がしづらいのですが、やはりおもしろい作品揃いでした!
常設展名は、『ただいま/はじめまして』
東京都現代美術館は、なんと約5000点もの収蔵作品(その館が保有・保管している作品)があるようです。そこから展示する作品を考えて……ってかなり骨が折れる作業ですよね;
修復して戻ってきた作品に「ただいま」、休館中に増えた作品に「はじめまして」というところからきた展覧会名なのでしょうか^^(優しい世界)

ちゃんと紹介冊子が作らており、展示室は作家ごとにかなりゆったりとしたスペースがとってあるので、とても見やすいです。ただ、企画展のボリュームが大きかったので、立て続けに見るのは体力的にしんどいという……。

でも、宮島達男の作品《それは変化し続ける それはあらゆるものと関係を結ぶ それは永遠に続く》には圧倒されました。
なんと休館以前は、20年間も展示され続けていたようです。
1〜9と暗闇を、それぞれのカウンターが繰り返し表示する作品。
集まるカウンターが、関わりないようで、関わっているような不思議な感覚。
遠くから見ると、それらの光が一つの塊のように、うごめいているようにもみえる。
赤い色は、どこか血が巡っている様を想像させます。
うまく分析できないけど、見ていてなぜか感動が込み上げてくる作品です。

宮島達男 
宮島達男《それは変化し続ける それはあらゆるものと関係を結ぶ それは永遠に続く》




 

所感とおまけ
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私のようなアート少しかじってるやつからしたら、
本当に、豪華な作品揃いの展示でした。

また日本の歴史と日本美術の歴史を、改めて見ることができ、とても勉強になりました。

ちなみに、美術館にはカフェやショップも併設されていて、休憩やお土産さがしにも最適。

東京都現代美術館 カフェ 東京都現代美術館 ショップ

野外にも作品があったり、近くには広い公園があったりと、
美術館周辺はとても良い雰囲気です(この日はポケモンがいたのか、謎の人混みが)

東京都現代美術館 庭
美術館外のオブジェ。作品名見当たらない?決められた時間には、登って遊べるらしい

ちなみに、私は駅から美術館の途中にあるご飯屋さんで
素朴なお昼ご飯をいただきました^^

カフェ 東京都現代美術館
Kuudle cafe さん
「麦とろご飯 鶏唐揚げの香味酢がけ」

 

再開した東京都現代美術館、

これからも、豊富な収蔵作品を活かした展示がとても楽しみです!




・参考資料

東京都現代美術館公式WEBサイト
https://www.mot-art-museum.jp/
(2019/4/28閲覧)

東京都現代美術館『百年の編手たち−流動する日本の近現代美術−』
会場配布資料

東京都現代美術館コレクション展示『ただいま/はじめまして』
配布資料

※作家名敬称略



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主に関東圏の美術の展覧会や、演劇、イベントに足を運び感想をかきます!! アート業界の端の端のクズの一片です。 基本的にネガティブ。 芸術・文化・地域政策の本を読んだ感想メモも追加したいと思っています!

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